個人事業主が扶養にはいれるかどうかは「103万の壁」じゃないですよ

2014-12-22

今日は、個人事業主さんで給与収入もある方向けに記事を書きます。

 

年末調整や確定申告の季節です。
個人事業主さんからご相談いただいた際に、意外に勘違いをされていることがありましたので念のため、お知らせします。

 

「家の中のメインのご収入の方」が配偶者さんや親族の方を「扶養に入れる」場合によく「103万円の壁」と言われます。
103万の壁のことを平たく言いますと
配偶者さん又は親族の方の収入が103万円以下であれば「家の中のメインのご収入の方」の扶養にはいれる・・・
→配偶者さんである場合は「配偶者控除」の適用がある
→親族の方である場合は「扶養控除」の適用がある
ということです。
ただ、よく言われる103万の壁については、
扶養に入れようとする配偶者さん又は親族の方が、
給与所得(平たく言いますと、正社員・パート・アルバイトなど雇用されたことで受ける所得)だけ、
の場合に限ります。

たとえば、パートをしながら個人事業主として開業している方の場合は、単なる103万の基準では判定できません。

 

なぜか?

まず、
「配偶者控除」「扶養控除」の対象となる配偶者さん、または親族の方であるための要件は何か、をあらためて知らなくてはなりません。

【配偶者控除の要件】
控除対象配偶者とは、その年の12月31日の現況で、次の四つの要件のすべてに当てはまる人です。
(1) 民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は該当しません。)。
(2) 納税者と生計を一にしていること。
(3) 年間の合計所得金額が38万円以下であること。
(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)
(4) 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと。

【扶養控除の要件】
扶養親族とは、その年の12月31日(納税者が年の中途で死亡し又は出国する場合は、その死亡又は出国の時)の現況で、次の四つの要件のすべてに当てはまる人です。
(注)出国とは、納税管理人の届出をしないで国内に住所及び居所を有しないこととなることをいいます。
(1) 配偶者以外の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族をいいます。)又は都道府県知事から養育を委託された児童(いわゆる里子)や市町村長から養護を委託された老人であること。
(2) 納税者と生計を一にしていること。
(3) 年間の合計所得金額が38万円以下であること。
(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)
(4) 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと。

 

 

 

ちょっと固くなってきましたね。

上記の要件の中のそれぞれ(3)(青字部分)がポイントです。

既に書いてありますね、
「給与のみの場合は給与収入が103万円以下」と。

当事務所で相談をお受けした方の中に、この部分を、
「給与収入」+「事業収入」=103万円以下でないと扶養にはいれない、と思っていた方が何名かいらっしゃいました。

違います。

二つのご収入がある方の場合は、
103万以下かどうかではなく、「合計所得金額が38円万以下かどうか?」を把握する必要があります。

 

 

例を挙げてみますね。
(分かりやすいように、少し極端な数字で書きます。)

 

パートをしながら個人事業主(白色申告)として開業している主婦の方を例にとります。
【パート】
給与収入 80万円
【個人事業主】
事業収入 100万円
必要経費 △80万円

この場合の合計所得金額は

【給与所得】
収入80万円-給与所得控除65万円=15万円
【事業所得】
総収入金額100万円-必要経費80万円=20万円
【合計所得金額】
15万円+20万円=35万円

合計所得金額が35万円で38万円以下なので、
この主婦の方は、ご主人の扶養にはいることができます。
(=ご主人が配偶者控除の適用を受けることが出来ます)

 

 

ご主人の年末調整のタイミングだとそれを見積もるしかありません。
そのあたりもご留意いただく必要があります。

 

 

また、余談ですが(税金の話とは離れますが)
ご主人の会社の「扶養手当」が支払われるかどうかの基準は、
税法ではなく、各会社様で規定されていることなので、必ずしもこの判断基準とは限りませんのでご注意ください。

 

 

今の段階で、将来的な配偶者控除の見直しも議論されているところですので、
このあたりも今後どうなるかは分かりません。
最新の情報をご確認くださいね。

 

 

給与所得と事業所得の両方がある方については、こちらをご注意の上、扶養のご判断をなさってください。

※追記
この記事については社会保険の被扶養者となるかどうかの、いわゆる「130万の壁」については一切触れておりません。
130万の壁についてはまたルールが違いますので、別途お調べいただく必要がございます。よろしくお願いいたします。

 

 

今日も当ブログをお読みいただき、ありがとうございました。

 

 

注)この記事は記事投稿日時現在の各種法令、規則等に従い作成しております。なお、この投稿はあくまでサービスの範疇にすぎず、最終的な責任について負うものではない点ご留意ください。


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